2025年7月4日July 4, 2025


Event Horizon Telescopeによるブラックホール撮影の現状と今後

       
  • ポスター (画像をクリックすると印刷データ表示)
  • 概要
    日  時 2025年7月4日(金) 14:00〜15:00
    場  所 大阪公立大学 杉本キャンパス 理学部E棟108 会議室
    内  容  2019 年4 月、国際プロジェクトのEvent Horizon Telescope (EHT)は、おとめ座の楕円銀河M87 の中心に位置する巨大ブラックホールの「影」の撮影に成功し、その写真を公開した。撮影された画像では、ブラックホール周囲の光子球に対応するほぼ真円のドーナッツ状の構造が捉えられていた。その中心部は周囲に対してコントラスト比 10分の1 以下で有意に暗くなっており、ブラックホールは光さえ脱出できない暗黒の天体であることが初めて視覚的に示された。また、2022年には私たちの住む天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール候補天体いて座A*でも同様な写真が撮影され、同天体が巨大ブラックホールであることも確認された。
     これらの成果を達成したEHTは、地球規模のミリ波VLBI 観測網を構築してブラックホールの影の撮像を目指した国際プロジェクトである。本講演では、EHTのこれまで成果についてまとめるとともに、巨大ブラックホールの研究に関連して残された謎についても紹介する。そして、今後のさらなる研究のため、NASAの衛星ミッションとして国際協力で計画中のmm波スペースVLBI衛星・BHEX(Black Hole Explorer)計画について紹介し、今後の展望を述べる。
    お問い合せ 大阪公立大学 大学院理学研究科 電波天文学研究室
    大西 利和 TEL:06-6605-7042

ナビゲーション